第128回 天のもと
黒
漆黒。
黒い。
丸い。
という人もいる。
平らか。
という人もいる。
黒く見えるという人もいる。
見えないという人もいる。
そもそも見えないものを見ているというのはどういうことなのだろうか。
見えないということが見えているということなのだろうか。
見えないということを見ようとしているということなのだろうか。
畢竟、それは底なのである。
ところで、底というものは本当に存在しているのだろうか。
高さがあって幅があって。
そして底がある。
はて、事象が実存に昇華するとき、底というものは存在するのだろうか。
実存の属性の一つと言えるのだろうか。
なんらかの実存の事象として顕在化する属性の存在に依るもの。
やはり、底は存在しないのではないのだろうか。
衝撃のラストという言葉がある。
衝撃のラストという事象がある。
そして、衝撃のラストが起こる時空間が多次元の数直線上の一点に置かれる。
そう。
数直線上の点が分かりやすい。
存在しているがない。
あるという事実を時空間に生み出すことで、ないという無がその存在自体として有に転換する。
そういうことなのだろう。
そんな思考という漂う虚像の空間を、弾丸が貫く。
終わりが生まれる。
無という有が、実存となる。
つまりは黒。
漆黒である。
白
純白。
白い。
四角い。
という人もいる。
立体的。
という人もいる。
白いものだという人もいる。
そうではないという人もいる。
そもそもないものをあるといえるのはどういうことなのだろうか。
ないということがあるということなのだろうか。
ないということがある姿を想像しているということなのだろうか。
畢竟、それは果てなのである。
ところで、果てというものは本当に見えるのだろうか。
起点があって方向性があって。
そして果てがある。
そこ、果てが属性として顕在化する時、果てというものは見えるのだろうか。
属性を持つ実存と言えるのだろうか。
なんらかの属性の展開として実存たどれるものの集合体に属するもの。
やはり、果ては見えないのではないのだろうか。
驚異のスタートという言葉がある。
驚異のスタートという事象がある。
そして、驚異のスタートを切る時空間が一直線のレーン上の空間に漂う。
そう。
レーン上の空間が分かりやすい。
見えないが顕在化している。
見えないという虚像を思考により克服することで、見えるという有がその存在自体の持つ無を消し去る。
そういうことなのだろう。
そんな時空間上に顕在化した世界の属性に、空砲が響く。
始まりが生まれる。
有となった無が、未来を生み出す。
つまりは白。
純白である。
Here is the world.
This means more.
つまりは、世界。
その全てである。