第69回 ランダムってなんだろう?
あいさつと断り
こんにちは,ゆーまにわの家喜翔太郎です。
今回の記事では【ランダム性の認知】というところに焦点を当てて,
我々は本当にランダムであることを理解できているのか?
みたいなお話をさせていただきます。
本当のランダム性を理解したところでどうなるんだというのは僕もわからないので、
「ヒトってこんな勘違いを起こすこともあるんだなあ」
程度に読んでいただけると幸いです。
あっ,あとかつてプロ野球で傾向をわからないようにピッチャーが投げる球種に乱数表を使ってたこともあるとか。野球好きな人はぜひ調べてみてくださいな。
動機とか経緯
先日のひな祭りマルシェでのこと。
~いえきとH氏がテント後方からその他メンバーの働きをみていたときのこと~
H氏「テントからぶら下げてるポップコーン(値段)の文字,プとンだけ(風で)裏返しになってて,なんかそういうデザインみたい笑」
いえき「確かに笑 なんか表表裏,表表裏って感じで規則的になってる」
といった会話がありました。ここで僕は前に読んだ本で
「ヒトって案外ランダム性を認知できてないんですよ~」
みたいな内容があったなあと思い出したものの詳細を忘れてしまっていたので今日備忘録代わりにブログで書いてみよう,と思った次第です。
突然ですがここで問題です。
問:いえきくんはコインを21回投げました。2回この試行(A,Bとする)を行ったところ,たまたま両試行で表(=〇とする)が10回,裏(=×とする)が11回でました。AとB,よりランダムであるのはどちらでしょうか。
A:×〇××〇××〇〇〇×〇×〇×〇〇×〇××
B:×〇×××〇〇〇〇×〇××〇〇〇×××〇×
<ヒント>
〇と×の出た回数は同じ。それ以外にランダム性を示すのは何でしょうか....?
せっかくなので,少し考えた後に下の解答を見てみてください。
答えと解説
答えだけを言うと,正解はBです。それでは解説タイムです。
〇と×出た回数は同じ,かつコインに細工はないので,ここでランダムかどうかを判断するには,
【続けて同じものがでる(ex:〇〇)ときと,違うものがでる(ex:〇×)ときが同じ回数である方がランダムである】
ということを見つける必要があります。〇と×の列に規則性がないようにしようとするなら確かに上記のようになることが必要ですね。
それではこれを踏まえてAとBを見比べてみましょう。この例でいうと,
〇×が交互に現れることが10回,もしくは〇〇と××が続けて現れることが10回ある
状態がランダムであると判断できます。実際にかぞえようとすると交互である回数を数えた方がやりやすいので,そうしてみましょう。
<〇と×が交互に現れる回数の比較(20回中)>
A:14回
B:10回
ということでよりBの方が規則性のないランダムな列であることが分かりました。
(*ちなみに僕は初めてこの問題と解説を読んだとき正直なに言ってるのかよく分からなかったです。)
先行研究の結果
実は同じことをやった先行研究(Sakagami&Hastjarjo,2001)がありまして。対象者を日本とインドネシアの大学生として実験を行ったところ,
日本:47.3%
インドネシア:53.7%
の学生が間違っていたそうです。
この実験以外にも,バスケットボールである選手が一度シュートを決めると続くシュートの成功確率が高いと,選手・コーチ・観客が判断することについて検証したり(考察によると真にランダム性の高いBについて,〇〇が続いていることが多く,連続性のある列と判断しているから,とのこと。),
こんな間違いが起きるのはランダム性を正しく理解できてないからなのか,それとも他の要因があるのでは,と考えたりする研究者もいたそうです(実験したところランダム性をちゃんと理解できてない可能性が高いと判断しています)。
(*上から,Gilovich et al.(1985)とWagenaar(1970))
最後に
今回は特にオチのない話になってしまいましたね。僕の備忘録だからまあいいか。これを機に普段見ているものが規則性のあるものなのか,ランダムだと思っていたものが本当にそうであるのか考えてみると面白いかもしれないですね。
ちなみに冒頭のポップコーンの例でいうと,6回中4回入れ替わっているのでランダムかどうか微妙なところですね笑
次回予告
次回は牧さんです。
こないだ写真展を開いていました。僕も行きましたが楽しかったです。