ゆーまにわリレーブログ

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第27回 「20年後」のソーラーパネル

 こんにちは。

ここ最近は日野上はおろか真庭にすら行っていない家喜翔太郎です。先日は落合花火があったそうですね。

人混みにもまれないキャンパスで落ち着いて花火がみたかったです。かき氷も食べたかったです。(切実)

来年こそは・・・と期待をする一方,将来に対しては何かと不安がついて回るもの。

「来年は花火みられるようなリア充()生活を送れているのだろうか・・・」

「もしかすると,今後このようなチャンスはないかもしれない・・・」

「ああ,自分の将来も心配で仕方がないけど,加えて地球の環境悪化も逼迫した問題だし心配だなあ・・・生活の基礎となる部分だし・・・」

「そういえば,ここ5年ほどで急速に目にする機会の増えたソーラーパネル,あれは寿命が来た後どうなっちゃうのだろう・・・?」

と,いうわけで今回はソーラーパネルのお話です。

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目次

1.ソーラーパネルはどれくらい増えてる?

2.寿命が来た後はどうなる?

  ①リユース・リサイクルのルート

  ②産業廃棄物となるルート

3.まとめ

 

1.ソーラーパネルはどれくらい増えてる?

まずは,以下のグラフを見てください。

[「なっとく再生可能エネルギー」設備導入状況資料 METIより]

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縦軸:発電能力(MW)

横軸:年度

(*数字の後についているkw,MWというのはソーラーパネルの発電能力を示すものです。数字が大きくなればなるほど発電できる量が多くなります。)

2012年度と2016年度最新の設置台数をワット数について比較すると(「合計」:緑色の線について),16倍以上に増加していることがわかります。

(*これだけ急増しているのは「固定価格買取制度」のおかげなのですが,ここでは本論に関係しないので説明はしません。気になった方はご自分で調べていただけると楽しめるかと思います。)

このように一時期に急激に増加したソーラーパネルは一斉に寿命を迎えることが推測されています。[太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第1版)環境省 p.12より]

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縦軸:排出見込み量(t)

横軸:西暦(年)

(*一時期ピークを迎えたのち排出見込み量が減少しているのは「固定価格買取制度」の更新によるものです。こちらも気になった方はぜひぜひ調べてみてください)

ソーラーパネルの寿命についてはっきりした数値は断定出来ないのでおおよその寿命で(20年~30年)推測されていますが,遅かれ早かれ約80万トン/年のソーラーパネルが排出される時期がくるということがわかります。

短期間に一気に排出量が増加することを考えると,排出後のソーラーパネルをどのように処理するのかについて法整備などを行うことは不法投棄の予防,処理工程における環境負荷の減少につながる,重要な懸念事項です。

そこで処理について調べてみると,処理後のルート,具体的には

リユース・リサイクルのルート

②産業廃棄物となるルート

の2つがあることが分かりました。次章では,これら2つについてみていきたいと思います。

2.寿命が来た後はどうなる?

リユース・リサイクルのルート

ソーラーパネルが回収された後にもそれらを有効に活用していくための手段の一つはやはり

リユース・リサイクル

です。これらの処理を事業として行っている前例はあり,彼らによるとリユース・リサイクル事業の流れは,

①パネル・発電設備の解体処理

②パネルの外観チェック+性能診断テスト

③販売

となっているそうです。事業として成立させるためには各段階におけるコスト(解体処理,運搬,設備,人件費など)より販売段階における利益を大きくすることが不可欠です。現在の技術でこの経済条件をクリアすることは出来るのでしょうか?

 [使用済み太陽電池モジュールの新たなリサイクル,リユースシステムの構築実証事業報告書 リサイクルテックジャパン株式会社 平成29年 3/1 p.61より]

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この表では,

・リサイクル処理は全て圧縮粉砕方法(最も経済的)

・アルミフレームあり

・処理能力は1200t/年

・販売価格,コストは平成27年度の事業結果

の条件下で,収支がどのようになるのか,を試算しています。最も注目してもらいたいのは一番下の「収支」の部分です。

そこにはおよそ730万円の黒字であることが示されています。

そうかそうか,リユース・リサイクルが経済的に可能なんだから今後も大丈夫だろう・・・ということであればよかったのですが,報告書ではこのようにも示されています。

「本試算はアルミフレームありの前提で収支を試算している。今後、リユースモジュールの単価の下落やノンフレームモジュールが販売されることにより、この収支は厳しくなることが予想される。 」

つまり,今後ソーラーパネルの排出量が増えてくるにしたがって,リユース製品の単価下落や競合企業の増加,また,有価物としてリサイクルされてきた「フレーム」部分が最近のパネルにはなくなってきており,収益の減少が見込まれる,ということが記述されています。

そういうわけで,今後も事業として成立できるかどうかについて,経済的な懸念点は拭えない,ということを言っているわけです。

リユース・リサイクルが難しいかもしれないのか。じゃあ適切に処理をしてせめて環境への負荷を減らさないと・・・。

いや待てよ,そもそも処理方法は確立されているのだろうか?

...ということで次からは,「産業廃棄物となるルート」について説明していきます。

②産業廃棄物となるルート

そもそも,使用後の処理方法が通常の処理(僕らでいうところのゴミステーションにゴミを持っていく行為)ではないものはどのような回収方法が整備されているのでしょうか?

つまり,エアコン,テレビ,冷蔵庫,洗濯機といった家電のことです。この4つの家電についてはリサイクルのための回収義務が小売業者に課せられています。

下手に個人回収業者などに回収されてしまうと,不法投棄の増加や不適切な処理がなされる可能性が高まるため,それを防止するための法律,ということです。

このように廃棄処分に困る家電には処理方法・ルートが確立されているのですが,ソーラーパネルどうなのかと言われると詳細な法整備はなされていません

現在あるルールというと,

「資本費(設備投資額)の5%が処理のために,事業主から政府に回収される」

ということだけです。

誰が回収して,どこで処理するのか,また回収されたことをチェックする方法,ということについては具体的な法整備がなされていません。

そのためソーラーパネルについても今後排出量の増加に伴い詳細な法整備がなされていくことが予想されますが・・・なんだかなあという感じは個人的に思うところです。

3.まとめ

ソーラーパネルの寿命が来た後には,リユース・リサイクルについては経済的な懸念がぬぐえないこと,廃棄物として処理する場合にも詳細なルールが確立されていないことを説明してきました。

「経済的」かつ「環境への負荷の小さい」ソーラーパネルの処理を確立するには,今後,政府・研究機関・企業などが連携して取り組んでいく必要があるようです。

再生可能エネルギーを活用した,環境に優しい発電方法として選ばれている太陽光発電。使用後も環境に優しいものであってほしいと願うばかりです。

次回予告

次回は牧さんです。

先日米5㎏と引き換えにガチ料理を作っていただいたのですが,レベル高くて驚きました。

キャンパスの男勢はなぜこうも女子力が高い方々が多いのか。

僕がキャンパスでいつも寝てしまうのは待っていれば誰かがご飯持ってきてくれるからというのも一つの要因に違いない()。

最後まで読んでいただきありがとうございました。