第8回 ススキは「茅」であるか?
ゆーまにわリレーブログ第8回です。
こんにちは。
ゆーまにわで日野上地区を中心に活動させていただいております,家喜翔太郎といいます。
まずは自己紹介から。
自己紹介
名前:家喜翔太郎(イエキ ショウタロウ)
出身:津山市
最近のマイブーム:床屋で聞くラジオ。常にはできないところがミソな気がする。
今回は複数の農家さんのところに伺った際によく聞いたキーワード「茅」についてまとめてみました。
ズバリ,「茅」をある定義で設定したときに一般に茅のカテゴリーに属する「ススキ」は「茅」であり続けられるかどうかを考えてみようと思います。
目次
1.茅とは?
2.雑草とは?
3.ススキは「茅」であるか?
1.茅とは?
「茅」というのはアレです。
茅葺屋根に使われていて,なんとなく伝統的な植物っぽいイメージはあるけど,それ以外の用途があるのかないのかよくわからないヤツのことです。
本題に入る前に,このイメージがボンヤリしている茅について今一度掘り下げてみましたが,そもそも,
”「茅」という植物種は存在しない”
んですね。知らなんだ。
というのが,
茅というのはイネ科やカヤツリグサ科の草本性植物で,かつ細長い茎と葉を持つ”有用”植物であるものの「総称」
なんだそうです。(Wikipediaより)
例を挙げると,ススキ・チガヤといったところ。
茅葺屋根が主流であった時代では,
「茅といえば○○」の○○は地域によって違っていたみたいです。
ススキ
チガヤ
(注)Wikipediaからなので信用度は低いのですが,他になかったので今回は上記を茅の定義とさせていただいて話を進めていきます。
2.雑草とは?
これもまた難しい話です。
というのが,「雑草」の定義はないからでアリマシテ(いわゆる雑草という草はないというやつです)…。
なぜ定義が決定しないのかというと,各々がある植物を「雑草であるか・そうでないか」のどちらかに分類する際に,判断基準の一つに,
「有用かどうか」
が存在するからです。
一例としてセイタカアワダチソウをあげてみます。
一般に「雑草」とされているセイタカアワダチソウも,元をたどれば観賞用植物として日本に入ってきています。
この段階ではセイタカアワダチソウはそのリラックス効果(たぶん)により市民権を得ていた=「雑草」ではなかったはずです。
その後,その爆発的な増殖能力により全国の農地に広がり,栽培作物に悪影響を及ぼし始めました。ここにおいてセイタカアワダチソウは初めて,農家の方々より栽培作物に何らかの悪影響を及ぼす「雑草」に分類されました。
つまり,セイタカアワダチソウは,観賞者により観賞されるときには「雑草ではなく」,農家の育てる栽培作物に悪影響を及ぼしたときに「雑草」となるので,セイタカアワダチソウが雑草であるかどうかは,それを
「分類する人の置かれた環境に依存する」
ということが言えるのです。
3.ススキは「茅」であるか?
本題を考えてみる前に,
ここで1.と2.の復習をしてみましょう。
1.「茅」とはイネ科などの,細長い茎と葉を持つ”有用”草本性植物の総称である
2.雑草かどうかを考えるとき,”有用性の有無”が判断基準の一つである
ということを説明しました。
このことを踏まえてススキが「茅」であり続けられるかを見てみましょう。
まず,ススキの使い方を考えてみると
・屋根への使用
・肥料への使用
・観賞用途
などが挙げられます。
以上のようなことに適度に消費されて,適切な管理がなされて,人間に悪影響を及ぼさないときにはススキは「茅」です。
しかしながら,現在このようにススキが利用されているケースはわずかとなってしまったのではないでしょうか。
茅葺屋根はほとんど観光対象となったといっても過言ではなく,また,肥料として活用されることも化学肥料が世の中に出回る以前よりもずいぶんと減ったようです。
むしろ,ススキは防除対象としてとられることもあり,ここにおいてススキは「雑草」や「野草」となるのです。
ススキの効果的で上手な除草方法: 家庭菜園や家庭農園で作る野菜のおいしい・上手な作り方・育て方
我々日本人にとってはお月見で馴染み深いススキですが,状況によっては「雑草」とも「茅」ともなりえるなんて,なんとなく面白いですね。
次回予告
次回は大学のマッチングプログラムコース(MP)に通う牧さんです。
僕はまだお会いしたことはないのですが,MPはおかしな方しかいない(褒め言葉)ので,どんなブログを書いてくれるのか個人的に楽しみです!