ゆーまにわリレーブログ

ゆーまにわのメンバーが毎週交代で更新中。

第80回 上京しました。

算数や数学でよく出てくる数直線。
厳密には、この数直線上には
理論的に定義した「境」を書くことはできない。

人生のターニングポイントというのは、
数直線に引かれた垂線のようなものなのかもしれない。

遠くから、そこ「らへん」が境だとすることはできる。
遠いほど、はっきりその境が見えてくる気になれる。
ただいくら近づいても、「そこ」は見つけられない。

遠くから見て何かが変わったと言うかもしれないし、
近くから見て何も変わってないと言うのかもしれない。

数直線画像

お久しぶりです。4月から東京に戻って再び学生となった橋本です。

東京って。

近くに行くにもついつい車に乗ってしまう運動不足の毎日から、晴れの日は自転車で往復40分雨の日は往復1時間半歩くきわめて健康的な毎日になりました。

8部屋もある大きな一軒家暮らしから、ベッド3個でいっぱい程度の小さな一室で寝泊まりする暮らしになりました。

鍵のかからないプライベートスペースでほぼ毎日シェアハウス状態の生活から、こまめに自分の部屋の重い扉に鍵をかける生活になりました。

アウトプットに必ず落とし込む日々の連続から、インプットに追われる日々の連続になりました。

ほぼ毎日誰かしら(某代表)が作ってくれてお向いさんがくれた一品が並ぶ食事から、自分で作り忙しくて(面倒くさくて)たまに学食で済ませる食事になりました。

朝起きた瞬間から何をするにもほぼ誰か知り合いに会う日常から、誰かに会うには日程調整をわざわざしなければならない日常になりました。

毎日毎週違うことをし続けていた2年間から、数か月単位で決まった時間に大学に行き続けなければいけない2年間になりました。

自分がやろうと思えば何でもできたコミュニティから、慣れるまでの探り合いを繰り広げるコミュニティに属するようになりました。

身近すぎる身内イベントであふれていた世界から、見知らぬ人の織りなす多種多様なイベントであふれた世界になりました。

東大生と言うだけでどこでもだれからも振り向かれる常識から、東大生であることが最も基本的な意思疎通のツールという常識になりました。

地方と言うと真庭やもっと山奥の村を思い浮かべていた共通認識から、地方と言うと福岡や札幌を思い浮かべる共通認識になりました。

でも、それでも。

現在住む寮が位置する巣鴨の商店街は各店主の皆さんが楽しそうに一緒に話している光景が見られるところで、地域社会のコミュニティが垣間見える楽しそうなところで。

こっちに来て数日でいつの間にかいろんな人に会うことになっていて、さらにそこからまたいろんな人に会うことになっていて。

もらった話に一つ乗っかってみると、面白そうなことが出来そうなアイディアが次々浮かんできて。

真庭で聞いてきたような話が、授業の学術的な話で抽象化されて出てきて。

ゆーまにわ各プロジェクトのオンライン会議はゆーまにわキャンパスから繋ごうが寮の自室から繋ごうが、そこにはいつも通りのゆーまにわメンバーのみんながいて。

数人でグループになるディスカッションの授業では、聞きたいことだらけで毎度自分から話し始めていて。

生物実験のテーマ決めの話し合いでは、やらされる授業でもどうせならテンション上がる面白い実験やろうよって言っていて。

なんだかんだいろんな場面で「いいじゃん、それおもしろいね。」と言っていて。

橋本と真庭と東京と(画像)

今の自分だから。

どうやら、
2年ごとで学部や所属が変わる東大では、2年も休学する人はあまりいないようです。

授業で使う受講学生の名簿には登録されていなくて、毎度授業の度に「名前が名簿にないですが(農学部)国際開発農学専修3年生の橋本です。ちょっと変則的に入ったので。」と言わなくてはならない毎日を送っています。
”UTAS”という履修登録や授業管理などのための東大生用のサイトはログイン先の個人ページの表示学年が在籍年数に応じて繰り上がるシステムのようで、いつまでも4年生登録をされています。
いろんな同級生からは「あれ、去年の秋学期の授業の時いたっけ?」などと聞かれる日々が数日続いていました。聞いてくれるだけありがたいです。
学生証番号の一部には「17」の番号が入っています。これは学部への進学年度の数字で、同級生は「19」(2019年度進学)なのに対して農学部に進学してから休学した僕は「17」(2017年度進学)だというちょっとした話題を提供することもできました。

同時に、
ゆーまにわに関わりながらも、ありがたいことに2社ほどから個人でプロジェクト単位でのお仕事の業務委託を受けさせてもらっていて、この点では真庭で働いていた時とあまり変わらない頭の使い方も出来ています。
決まった時間を搾取されるアルバイトと違って、授業に出ながら空き時間で自分を追い込むことが出来るこの形は、授業が最高に面白く感じている今の僕にはぴったりです。

さらに、
人生で初めて2年間も実学に基づいたインプットしかしてこない経験をしたことで、完全インプット型の学術論文に基づく理論的な研究やその授業が、めちゃくちゃ面白く感じることが出来ています。
あまりに面白かったので、今年度中にゆーまにわや真庭で知り合った方々を題材に学術論文をいくつか書いてみようと思っています。(真庭のみなさん、いつかインタビューをさせていただくかもしれませんがその時はよろしくお願いします。)
最終的には、学術的なファクトに基づいてゆーまにわに新たな側面を追加したいなという野望もすこしあります。
興味がある有志のメンバーとゆーまにわの活動や関係者をしっかりとスキームに落とし込んで学術的に分析していく訓練をする「ゆーまにわ研究部」でも立ち上げてみようかななんて企んでいます。

とにもかくにも。

今、僕は東京で楽しく過ごしています。

真庭の方が楽しいとか東京は怖いとか、東京が便利でこっちの方が好きだとか、あんまりそういうことは感じていないです。
結局どこにいても、面白いことは転がっているのでしょうね。

少なくとも、どこにいても楽しいことをいつのまにか見つけられる直感や能力は、真庭での2年間で研ぎ澄まされた気がしています。

こういう風に書くと、「お前はやっぱり東京に戻って新たな刺激に目移りして真庭を忘れていくんだな。思った通りだ。」と思った方、安心(?)してください。
真庭も決して忘れてませんよ。

ということで。

4月27日(土)~5月1日(水)で、真庭に帰ります。

本当は四月中に東京に戻って実家の方にも帰ろうと思ってたのですが、「平成から令和に小学校の体育館でジャンプする」というなんとも意味の分からない面白そうなイベントがあるみたいなので、ちゃんと令和初日を真庭で過ごしてから帰ることにしました。

真庭岡山の方、ぜひまた会いましょう。

平成ジャンプ(チラシ画像)

おまけ。

せっかくなので、東大農学部の授業について少し載せておきます。
ちなみに、東大の学事歴は4ターム制(4学期みたいなもの)を導入していて、しかも農学部はもろに影響を受けたちょっと変わった授業日程になってます。

S1ターム(4月から6月初め)の橋本の授業を大公開。
専攻は国際開発農学専修です。

月曜日

1限  
2限 国際生態学 途上国を中心とした世界の社会発展や経済開発に伴う生態系や環境の変化についての授業。
3限 国際植物利用学 植生から見る途上国を中心とした世界の農業についての授業。
4限 国際農学情報処理演習 主にExcelとR及びRstdio(両社とも統計解析ソフト)を使った統計解析の手法を学ぶ授業。
5限
6限 農業環境の放射線影響 ゼミ形式で放射線と農地環境などについての研究発表を行う。橋本のテーマは放射線林業における影響。

火曜日

1限  
2限 国際森林環境学 世界の森林事情について学ぶ授業。
3限 環境経済学 経済学を環境の視点から学ぶ授業。
4限 国際農学情報処理演習 主にExcelとR及びRstdio(両社とも統計解析ソフト)を使った統計解析の手法を学ぶ授業。
5限
6限  

水曜日

1限  
2限
3限 国際農学実験・実習Ⅰ 生物実験、物理実験の授業。橋本の班は生物実験のテーマは「メダカの行動学習は集団学習なのか個体学習なのか」。
4限
5限
6限  

木曜日

1限  
2限 国際動物資源科学 動物の生態や特性について学ぶ授業。
3限 国際農学実験・実習Ⅰ 生物実験、物理実験の授業。橋本の班は生物実験のテーマは「メダカの行動学習は集団学習なのか個体学習なのか」。
4限
5限
6限 食と人間 毎回「食と人間」を講師が変わるオムニバス授業。ちなみに初回は海産物のリスクとベネフィットについて。

金曜日

1限  
2限 環境生物化学 化学的な視点から生物多様性について学ぶ授業。
3限 国際農業工学 国際的な視点で農業土木や農業機械について学ぶ授業。
4限 国際水産開発学 国際的な視点で水産業の変化や実態について学ぶ授業。
5限  
6限  

ちなみに時間としては、2限の始まりが10時25分で、5限の終わりが18時35分、6限は20時30分。
つまり、月曜日と木曜日は10時半から20時半まで休憩挟んで10時間の授業。
さらに各授業ごとのレポート作成。

大変だ。

次回は。

さて次回は、ついに本格的にまにわ暮らしが始まった安藤くん。

思えば僕が休学したのも同じ年齢だったな。